Physics & Philosophies

理系大学生の頭の中

海鮮丼と食品偽装

海鮮丼を食べに行った時に、こんな話を聞いた。

 

「マグロを一酸化炭素で処理すると、1ヶ月経っても新鮮なままの状態に見えるらしい」

 

どうやら、そうやって処理した古い魚を刺し身として出すことが飲食店などであるらしい。

 

新鮮なマグロの赤身の色は、筋肉中のミオグロビンが空気中の酸素と反応してできるオキシミオグロビンが鮮やかな赤色を呈することによる。しかし、時間が経って酸素に触れ続けると、オキシミオグロビンはメトミオグロビンに変化し、これが茶色に変色する原因となる。マグロを一酸化炭素で処理することで、ミオグロビンと一酸化炭素が反応して安定なカルボキシミオグロビンとなり、これが新鮮な赤身のような鮮やかな色を呈する。一酸化炭素で処理されたマグロを食べても直接健康に害はないものの、魚の新鮮さの判断を誤らせる原因になりうるので、日本では使用が禁止されている。

(Agri-Food & Veterinary Authority of Singapore のレポートを参照)

http://www.ava.gov.sg/NR/rdonlyres/8C5898DD-68C4-40A5-91A8-BD80B0D499D7/12756/CarbonMonoxideTreatedTuna.pdf

 

食品偽装は近年しばしば取り上げられる問題である。もちろん、食品会社や飲食店は消費者に対して偽りのない商品・情報を提供すべきだが、消費者の立場としても、飲食店や加工食品を利用する以上、食品の安全に対してある程度の危機意識は持っておくべきではないか。飲食店にしたって、スーパーで売られている肉や魚や惣菜にしたって、どのように作られて、どのような経路で私達のもとに届いているかは不透明な部分が多い。だからこそ、「もしかしたら古い食材を使っている可能性もあるのではないか」「含まれている添加物によって健康被害を起こす可能性もあるのではないか」と、食べる時に疑ってかかる姿勢も必要だと思う。いざ何かしらの偽装が明るみになったとして、「お前のところの食べ物いっぱい食べちゃったじゃないか!どうしてくれる!」と言うことはできるけれども、実際にそれで害を被るのはそれを食べてしまった自分自身である。

 

「怪しい食材を使っている可能性があるから外食はするな。加工食品も食べるな。」などと主張するつもりは毛頭ない。そうではなく、「自分がどこかで何かを食べる」という行為には、いつも何かしらのリスクがついて回る、ということを意識した上で食べるものを選ぶべきではないだろうか。

文章を書くということ

昨日、ある短歌について思ったことをまとまった文章にしてみた。考えてみると、メールやレポート以外の形で文章を書くのは久しぶりである。頭の中ではいろいろ考えていたつもりであったが、いざそれをまとまった文章として書き、公に発表するとなると意外と骨が折れるものである。原稿用紙5枚分程度の、小学校の読書感想文ほどの分量に過ぎなかったが、結局書き上げるのに2時間近くかかってしまった。

 

思えば、読書感想文や生活作文などで文章を書く機会はこれまでも多少はあったものの、伝わりやすい文章書き方だとか、段落の構成の仕方など、実際的な文章術はあんまり学んでこなかったように思う。日本語で文章を書くくらい造作ないだろう、と高をくくっていても、いざ文章を書こうとすると意外と難しい。そもそも、普段から「文章を書く」ことをしていないのだから当然といえば当然かもしれない。

 

最近、Julia Cameron氏によって提唱されているMorning Pagesというエクササイズが注目されているらしい。

Morning Pages are three pages of longhand, stream of consciousness writing, done first thing in the morning.

Morning Pages | Julia Cameron Live

簡単に言うと、「朝起きて頭の中にあることをなんでもいいからノート3ページ分書く」そうだ。これによって思考が整理されるらしい。

 

実際、自分の頭で考えていることを、目に見える形に書き出してみると、自分でもあやふやだったところが徐々に形をなしてきて、すっきりとするという経験はある。「書く」という行為は情報を発信するのみならず、自分の考えを省みるツールとしても大きな威力を発揮するのだろう。

 

ということで、文章を書いて自分の頭を整理するためにも、また文章を書くトレーニングを積むためにも、しばらくブログを続けてみたいと思う。